服装 |
男子は結髪し、冠帽を用いない。木綿で頭を巻く。(「布ヲ横幅 ニシテ連ネ、殆ド針デ縫イツケルコトハシナイ」ト言ッテイルカラ、男ハ殆ド裸デ腰巻キノヨウナ布ヲ巻イテイタノデアロウカ) 婦人は結髪もあり、垂髪もある。婦人の衣服は単被(ワンピ-ス)のようなもので、その中央を穿って頭を貫いて着る。 |
生活 |
冬夏生菜を食す。皆跣である。屋室を備え、父母兄弟の臥息は処を異にする。身体に朱丹を塗る。大小となく皆刺青文身する。中国に詣でる使いは皆自ら大夫と称した。文身も形式は異なり、尊卑によって差がある。食飲には高坏を用いて手食する。酒を嗜む。 |
生業 |
好んで沈没して魚蛤を捕える。禾稲(水稲ノ意)・紵・麻を植え 蚕を飼い、絹を紡ぎ、細紵(カラムシノ繊維デ織ッタ布)、緜(真綿)を産す。 |
産物 |
真珠・青玉・丹。 |
武器 |
矛・盾・木弓・竹箭・鉄鏃・骨鏃。 |
習慣 |
会同坐起に父子男女の別がない。大人に敬する所を見れば ただ手を摶って跪拝に当つ。下戸と大人と道路に相逢えば逡巡草に入る。葬制は棺あって槨がない。土を封じて冢をつくる。はじめて死するや、喪を停むること十余日。当時肉を食わない。喪主は哭泣し、他人は歌舞飲酒する。已に葬れば、家をあげて水中に詣り澡浴する。
骨を灼いて卜し、吉凶を占う。 |
婚姻制 |
大人は皆四五婦、下戸は、二三婦。婦人は淫せず、妬忌しない。 |
寿命 |
寿考。あるいは百年、あるいは八、九十年。(寿考とは命の長いこと) |
社会 |
盗竊せず、諍訟少ない。法を犯すとき軽きものはその妻子を殺し、重きものはその門戸及び親族を滅ぼす。尊卑おのおの差序あり。相臣服するに足る。租税を収む。邸閣あり。国々に市あり。有無を交易する。 |